研究途上のため、転載厳禁
デジタルカメラ・ルーム
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2013年11月17日・観望会・・・の後
この日の観望会は欠席して翌日の夜のしし座流星群にかけるつもりでいたのですが、月が出ているものの天気は上々、ここ最近に休みの日と天気がうまくシンクロしてくれずに彗星の撮影が進まない状態だった事も有って、我慢し切れずに彗星の撮影に出かけて来ました。そして原村に到着した時はちょうど観望会のスタッフが解散したタイミングでした。
で、彗星は満月の条件下でLovejoy彗星、リニア彗星、アイソン彗星の撮影に成功しました。

C/2013 R1 Lovejoy
C/2012 X1 Linear
C/2012 S1 ISON

月光の影響もあってLovejoy彗星は単純にコンポジットしただけでは彗星の尾は分からないのですが、少しだけ強引な画像処理でうっすらと尾が浮き出て来た感じです。
リニア彗星は増光した、との情報だったのですが、コンポジットとトーンカーブ補正で彗星らしい色が出て来ましたが等級的には10等以下、眼視では少々厳しそうです。
さてアイソン彗星ですが、単一の未処理の画像で見ると細い尾が伸びているだけのようにみえたのですが、加算平均のコンポジットとトーンカーブ処理、階調の反転とグレースケール化などの処理でかなり細かい尾の構造が見えて来ました。
当初予想されていたようなマイナス等級の明るさは期待しませんが、複雑な尾の構造が今後どのような形で観測されるのかはとても楽しみです。

そして仕事の休みをとって迎え撃とうとしたしし座流星群は曇ったおかげで早期撤退となってしまいました。
まあ・・・いいか(^^;

2013年10月13日・観望会
9月の観望会は天気に恵まれず結局望遠鏡もカメラも出さずじまいだったのですが、今回はほぼ晴天、ただ見た目には地表に近い所は若干霞んでいるような印象でした。おかげで撮影しても低い位置にいた時のM31は色が茶色っぽく写り、同じくM45は反射星雲がほとんど見えないような状態でした。
ただ今回は春に買ったカメラのテスト撮影も兼ねているのでメジャーどころのターゲットの写り具合の確認と明るくなると言われているアイソン彗星の撮影が目的でした。
結果はこの通り・・・

h-x
M31
M42
M45
バラ星雲
馬頭星雲
オリオン座周辺 アイソン彗星・1 アイソン彗星・2 アイソン彗星・3

鏡筒はビクセンのR200SS+コマコレクターの直焦点撮影、オリオン座周辺とアイソン彗星3はフジノンのXFレンズ
月は全くの未加工、画像処理は加えていません。
月が沈んでからは他の対象を撮影、他の画像は2枚から5枚くらいをコンポジットで重ねてトーンカーブ等で輝度や色調を調整しています。
S5Proと比べてHII領域の赤が若干弱く写るようで、バラ星雲や馬頭星雲のような対象を撮る場合にはS5Proよりも露出時間を長めに撮る必要が有りそうです。
またオリオン座周辺はバーナードループを狙っての撮影でしたが、期待したほどははっきりとは写ってくれなかった印象です。

低い位置にあった時はあまり写りが良くなかったM45ですが、高度が上がってから撮ったものはしっかりと反射星雲も写っていたので、やはり地表に近い領域は若干霞んでいたようです。おかげでアイソン彗星も尾はしっかりと写せましたが色が彗星らしくない。
アイソン彗星3はフジノンレンズのXF55-200を200mmで撮ったものですが、F値が少し暗いものの、明るい星をカメラレンズで撮った時に良く出て来る青フリンジもなく、暗い分は露出時間でカバーすれば何とかなりそうですが、個人的には200mmの単焦点で開放F値が2.8くらいのものを作って欲しいな、なんて感じました。
カメラとしてはミラーレスのX-Pro1は軽くて赤道儀のバランスにも負担を掛けないのですが、かなり明るい星でないと電子ファインダーには写ってくれないので方向合わせはちょっと苦労します。自動導入装置に頼るか、もしくは主鏡とファインダーの光軸を完璧に合わせて感任せに導入して撮影しながら細かく位置を調整する必要がありますが、フジノンレンズを使った場合にはファインダーの中に距離計が表示され、マニュアルでピントを合わせる時にはその無限大の位置にインジケーターを合わせてやれば無限遠に完璧にピントが合います。これは便利でした。

あと欲を言えばAC電源が使えるようにしてHyper-Utilityのような撮影ソフトを使ってリモート撮影が出来るようになれば言う事無しなのですが・・・X-Pro2にはそのあたりも期待したいところです。フルサイズは・・・別にどうでもいいかな〜、やっぱいらないかな〜?

撮影地は今回も八ヶ岳自然文化園の駐車場、一般観望会が終わってから居残っての撮影でした。

2013年8月13日・ペルセウス座流星群
・・・の、はずでしたが、明らかに群の流星として同定出来るものは1つしか撮影する事が出来ませんでした。

明るい流星は幾つか飛んではいたのですが、残念ながら露出中のカメラの視野の中には飛び込んでくれませんでした。
この日は同時進行で新しいレンズのテスト撮影も行なっていました。
X-Pro1用の55-200mmの望遠ズームレンズですが、星用には若干暗めですね。
ただ古いレンズを使った時などに見られるような青いフリンジは発生していませんので、露出時間をかけて撮影する事で良い結果が得られそうです。

S5Pro
天の川
夏の大三角と天の川
X-Pro1
夏の大三角と天の川
M8周辺
M31
M45

X-Pro1はローパスフィルターレスなのでHII領域には無改造で十分対応出来そうです。
フジノンのXマウントレンズとの相性も有るとは思いますが、これから秋、そして冬にかけてオリオン座のM43や馬頭星雲、バラ星雲、あるいはバーナードループなどの写り具合も早く試してみたいところです。


2013年5月6日・観望会
観望会が始まった頃はベタ曇り状態だったので機材の用意は躊躇していたのですが、そのうち雲が切れて段々とコンディションが良くなって来たので赤道儀を組む事にしました。
この日の目的は既に遠くなって暗くなったとはいえパンスターズ彗星の撮影と3月に買った新しいカメラとレンズのテストでした。
結果から言えば彗星の撮影は成功ですが、ローパスフィルターの無いミラーレス一眼のフジのX-Pro1はどうも暗い天体の撮影のはあまり向いてない。撮影出来ないワケではないのですが、例えばS5ProやD7000のようなPC制御による撮影が出来ないため、撮ったその場では背面の小さなモニターでしか確認のしようがない、これではたとえば12、3等級クラスの彗星などを撮影しようと思ったらよほど精密な極軸合わせと同じく精密な自動導入装置が無いと不可能かもしれません。
またAC電源が無くPC制御が出来ないのであれば流星群の撮影にはちょっと使い難いかもしれません。
まあ、そういうのを狙う時はS5Proを使いますが。

その他の点ではやはりローパスフィルターが無い分、やはり赤い散光星雲は良い感じで写ってくれます。
とりあえずは撮影結果をどうぞ・・・

白鳥座の心臓部
北アメリカ星雲
アンタレス周辺
M17周辺
M8周辺
M8(広域
さそり座
天の川
天の川
白鳥座
パンスターズ彗星

使い方としては難しいとは思うのですが、秋になったら直焦点での系外銀河などの撮影もやってみたいと思います。

2013年1月4日・しぶんぎ座流星群
事前の予報ではピークが3日の22時、などと言う情報が流れていた為に仕事が終わってから観測地の原村に直行したのですが、22時前には長経路流星の出現も無く、22時を過ぎでも全く流星群の動きは有りませんでした。
それでも、ということで常時カメラは作動したままにしておいて観測を続けたのですが、明らかにしぶんぎ座群に属すると判断出来る流星を見たのは日付が変わって4日の1:10頃から1:30頃にかけては顕著に出現しました。
そのあとは散発的な出方をして群として確認出来たのは2時くらいまで、最後に撮影出来た群の物は3時頃でした。
これなら慌てて飛び出さなくても良かったか?といったところですが、ピークの鋭いしぶんぎ座群を確認出来て良かった、といったところでしょう。
観測地はいつもの長野県原村、八ヶ岳自然文化園の駐車場、観測時に外に置いておいた温度計では最低気温はマイナス16℃まで下がったようです。
散在流星の2番目のものはいかにも輻射点から飛び出して来たように見えるのですが、出現経路の方向が逆だった為に散在と判断しました。

散在